ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

亡念のザムド各話を勝手に解説していくシリーズ 第12話

配信にて全話視聴済みのrivfiがネタバレにならない程度に、テレビ放映された回の分かりにくいところ、今後に備えてちょっと大事なところなどを書いていくコーナーです。あくまで私の勝手な解釈なので間違ってたらごめんなさい。


というわけで、関西圏では12話、13話の同時放送だったので、関東圏の話の進み具合とズレが生じてしまいました。とりあえず、12話分はいつも通り水曜更新で、13話分は関西圏の人が14話を見る前に読めるように金曜あたりにでも更新しようかな、と思っています。一応、折りたたんでおいてすぐに見えないようにはしておくつもり。


ではでは、本題。


〜色々と解説〜ただし今回は出来てない……

  1.ナキアミを襲った黒い目玉は何?
何でしょう?私が亡念のザムドの全編通して一番理解できてないところがこの回なんですよね。
おそらくヒルケン皇帝の分身みたいなものだと思うのですが……
前回襲撃してきたヒトガタ達の石から影が出てきていましたが、(ネタバレっぽいので伏せ字)ヒルケンはザムドの対みたいな存在というかザムドの一種とも考えられるのでヒルケンを分析した結果、精製したヒルコを使って北政府がヒトガタを作っているとするとヒトガタは全部ヒルケンの分身みたいなものともいえるので一応説明はつけられそう。要するに、ヒトガタたちはヒルケンの制御下にあると言えるのではないのでしょうか。


  2.ナキアミがザンバニをでなきゃいけなくなった理由が分からない。
おそらく、前述のヒルケンの分身?に発見されたからでしょう。
あれがナキアミのもとに現れた理由は、彼女のもつ魂の声を聞く力とヒルケンの出自に関係があるからだと考えられますが、この辺の解説が出来るのはずいぶんと後になってしまうかな。
後ろで朗読されている「敵について」の詩の文句のように敵に認識されてしまったために、それに対応するための準備が必要になったので、テシクに戻ることを決意した、と考えるのが一番妥当?


  3.BGMのように朗読されていた文は何?
さっきも少し触れましたが、茨木のり子さんの「敵について」という詩ですね。茨木のり子さんといえば、第一話の初っ端に伊舟が朗読している「魂」という詩が彼女の作品ですね。
あの朗読はラジオから流れてきているわけですが、放送通り、ヒルケン皇帝直々の放送の様です。ラジオからそんなものが聞こえてくるということはザンバニは既に北政府の領土内に入ってしまっていることになりますね。
そして、ヒルケンを演じてらっしゃるのが古谷徹さん。「敵について」の劇中での朗読は全編通して三回あるはずですが、そのどれも印象的な場面なのですごくいい。
ちなみにあの詩は、実は夫婦の対話をテーマにした詩なんだとか。夫婦ゲンカ?


  4.フルイチはいつの間に?
一話だよ!!足引きずってるよ!!ヒトガタにもハルそっちのけで襲われてるよ!!
何ですぐ石化、ザムド化しなかったかというと、すぐに自分の名前を呼ばれて、自我を失わなかったせいじゃないかな、と思います。それでしばらくヒルコの活動が抑えられていたんじゃないかと。
ちなみに、アキユキの時はナズナ(白髪少女)にザムドとしての名前を与えられたためなのか、すぐにザムド化がすすみ、その後ハルの呼びかけにより自我を取り戻すも戦いのダメージで徐々に石化という流れでした。
雷魚の場合は自分を呼ぶものが誰もいなかったから石化しかけ、アクシバに名前を聞かれて自分を呼び起こされたのではないかと思います。
要するに、自我の力が強いとき、(名前、自分を認識している時)逆にヒルコの力が強いとき(完全ザムド化してる時)は片方に力が偏っているから石化しないけど、そのバランスが不安定になると石化が始まるのではないかと思います。


〜チェックポイント〜

  1.今回はみんなが腰を上げる回
今回は散々色々なキャラクターに腰を上げろと言われていた人物たちが動き出す回でありました。
テシクの里に帰ることを決意したナキアミ。垣巣に会うことにしたリュウゾウ。ただまだ腰を上げないのが伊舟。なぜ、彼女が腰を上げられないかというと家族がいるからなんですよね。伊舟はザンバニという家族の母親をやっているから。
彼女が動き出すのはまだ少し先。


  2.フルイチ
さなぎ豆腐は嫌い、と言っていますが、これは前に少し出てきていたサナギ豆の加工品でしょうね。サナギ豆は
端島の人たちの好物であるはずなのに、フルイチはこれが嫌い。
こういったところでもフルイチが孤立していることが表現されているのではないのでしょうか
また今回のフルイチの独白は14話を見てから振り返るとまた違う感想が出てくる良いシーンだと思います。
そして、この台詞。「気持ち悪いって思ってるんだろっ!!」
裏返せば、これは自分がアキユキや他のザムド、ヒトガタのことを気持ち悪いと思っていたから出る台詞です。
ハルだからそんな二人を受け止めようと出来るものの、それ以外の人間が気持ち悪いものに触れるとどうなるか。ちょっと先にそのままの形で表現されることになります。


  3.言葉を贈らない伊舟
言葉じゃいつも心に足りないという台詞を述べる伊舟でしたが、だからこそその彼女が「泣きやめ」の言葉をナキアミに求めるところや別れの言葉は決して述べないところなど象徴的なシーンがたくさんありましたが、今回別の言葉を贈っているシーンが実はあります。
それが前回殺したヒトガタ使いの埋葬のシーン。伊舟はここでヒマワリの花をヒトガタ使いの墓に手向けています。前にも書きましたが、この亡念のザムドでは物の授受にコミュニケーションの暗喩があります。
では、伊舟はヒトガタ使いに、ナキアミの分身に何の言葉を贈ったか。
ヒマワリといえば、5話でナキアミが伊舟に手紙代わりに贈ったものです。さてそのヒマワリにはどんなメッセージが込められていたか。


以上でしょうか。あとピックアップするならば、
・自分が呑んだ汗馬博士の理屈をはねのけるリュウゾウと垣巣の対比
・魂はルイコンの流れに還り、ひとつになる
くらいでしょうか。


さて、もう関西圏では放送されてしまっていますが、次回はフサさんのターン!!
母は強し!!


11話のはこちら↓

一足早いですが13話のはこちら↓関東圏の方はネタバレ注意。