ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

母親の包容力の強さである 『京騒戯画』4話


それに比べて父親の影の薄さである。
八瀬が今でも古都を強く慕っていることが描かれた第四話『次女と素敵な妖怪達』でした。
そういえば鬼に描かれたのが嫌だったのは描かれてますが、八瀬自身は父親のことをどう思っているのでしょうね。
いずれ描かれるであろう父親との再会の際にどういう反応を彼女が示すのか気になる所であります。


というわけで兄弟三人に焦点を絞る計三話、今回は八瀬の回でありました。
前回のエントリで鞍馬は未来に目を向けているのかも、というのを書きましたが、今回の八瀬は過去を、そして次回の明恵は現在をその目に大きく映しているのかもしれません。
もちろん、そのそれぞれを彼らが見るきっかけになっていることに「両親との別れ」というのがあるので、それに何らかのカタを付けなければならないのでしょうが。


「モノより思い出」というキャッチコピーがありましたが、面白いのが八瀬は思いっきりモノ=思い出として捉えてるんですね。
ただなくしてしまったお人形を今でも気にかけている様に、モノ自体はただ思い出すためのきっかけであって思い出、記憶とそれは違うものなのですね。そして思い出や記憶はまた作っていくことが出来る。
だから八瀬はコトとともに戻ってきた人形を見ても返してほしいと言わなかったんじゃないかなと思います。


八瀬のお人形もコトが小さい頃から彼女の手元にあったようですが、どういう経緯で彼女の元に来たのでしょう。そもそも駅開きで捨てられたものたちはどうなるのか。
外の世界にポコポコ出てくるのでしょうか。
コトのハンマーで壊したものは治らないの強調がありましたが、この感じだとちゃんと理屈が説明される大事な要素になりそうですね。


コトが不思議に思ったものはなんでもどうして?と聞くのは良いですね。
疑問を抱くということは現状の理解、そして変化へと繋がります。長らく変化がなかったであろう鏡都に変化をもたらす、という意味でもコトのキャラクターは非常に主人公らしいものだと思います。


さぁ次回は配信版でも人気のあった(と思う)エピソードをベースとしたであろう明恵回。そして全体の折り返し地点でございます。楽しみ。