亡念のザムド視聴のすすめ。よくわかる尖端島、もといザムドガイド。一話放送後追記
というわけで、今週末から地上波での放送が始まった『亡念のザムド』についてより楽しく見るためのガイドっぽい文章を書きたいと思います。
キャラデザとかCMとかを見てピンときた人、その直感はおそらく正しいよ!!ぜひ見てください。
ついでにピンとこなくてもある程度いろんな作品を見てきた濃ゆい人にもオススメします。アニメ作品としてかなり変わった作品だと思うので。
で、自分で言うのもなんですが、現時点ではこの作品に関する文章を一番多く*1書いてる視聴者は私だという自信があったりなかったりします。
その私が宣言しよう!!
わかりません!!*2
めちゃくちゃ難解です。
同じボンズ制作の諸作品と比べても屈指のイミフ度を誇る気がします。ラーゼフォン、エウレカセブン以上。
録画せずにテレビ放映を一度流し見するだけで内容を理解しようとするのはかなり難しいんじゃないかと。そういう意味では三日間再生し放題の配信という形態はこの作品に合ってたともいえるかもしれないです。
というわけで、ある程度ポイントをしぼって見るのが理解するのには良いのではないかと思います。
なので、ちょっと見るだけじゃ分かりにくい作品の背景などをあらかじめ整理してまとめたのが、この記事だと思って頂ければ。
〜舞台背景〜
この作品では台詞のみでしか語られない設定などの説明がじゃんじゃん出てきます。なので大事な説明でも油断してる間に聞き逃してしまうことがままあります。ですので、作品を見る楽しみを損なわぬ程度に作品世界についてここでは説明します。
主人公のアキユキたちが住んでいるのが油泥海(海の名前ですよ)に囲まれた尖端島。
尖端島の近くには、皇帝による独裁が行なわれている北の帝国と軍部の力が大きい南大陸自由圏という政治共同体の二つの勢力があります。
過去、北政府と南自由圏の間に大きな戦争があり、その際、尖端島は南側に統合された形をとっています。“過去”とはいっても戦争は小康状態に入っているだけでまだまだ続いています。でもかなり頻繁に小規模な空襲は互いに行っているみたい。
ものすごく極端に関係性をたとえて言うと現実より物騒な北朝鮮と韓国みたいなものです。で、日本海に浮かんでて韓国に統合された島が尖端島。*3
そして、もう一つのキーワードがテシク氏族。作中ではテシクの民とか単にテシクと呼ばれています。元は北の領土内にいましたが、何らかの事情で土地を追われ難民に。
北の人々にも南の人々にも差別的な扱いをされることが多いようです。
このあたりがややこしいのですが、テシクの人々が主に信仰しているルイコン教という宗教があります。
このルイコン教の教団がザムドを産みだしているのですが、ルイコン教団=テシク氏族ではないことに注意。彼らはそれぞれ別の目的で動いています。1話で出てくる白髪少女みたく子供なのに白髪のキャラはこれだと思っておけば。
これらの北政府、南大陸自由圏、テシク氏族、ルイコン教団、このあたりの関係が頭に入っていれば比較的理解しやすいかと思います。
なお、主人公たちが明確にこの中の一勢力、もしくは複数と戦っていく、という展開になるわけではありませんのであしからず。そのあたりは次の項目で。
〜アンチ“ヒーロー物”作品としてのザムド〜
アンチヒーロー物と書きましたが、要するにこの作品はザムドになった主人公がバッサバッサと敵を倒していく作品ではありません。
いわゆるヒーロー物――『仮面ライダー』とか『ウルトラマン』みたいなものができないか、って言われたんですけど、それを僕に振る時点で「正気なのか?」と思ったんですよ(笑)。
http://www.xamd.jp/special/interview/index.html
今、敵に見えているものが後で味方になったりとか、あるいは味方に見えているものが、別の人にとっては恐怖の対象に見えるとか、そういうことをやりたいなと思っていたんですよね。
http://www.xamd.jp/special/interview/index.html
上で引用しているのは公式HPに載っている宮地昌幸監督のインタビュー*4なんですが、この通り勧善懲悪だとか一方的な善悪という観点で括れない作品なので、単純に一つの考え方にこだわって見ているとなにがなんだか分からなくなります。
なので、大半の人が予想しているよりも(前半は特に)バトル描写も少なく*5、誰々が悪いというのを決められないので、この作品特有の雰囲気に慣れるまではあまり爽快感を感じられないかもしれません。
そのかわり、二番目の引用部分で述べられているように一つの出来事でもそれぞれのキャラクターによって心象が異なることをとても細かく描いているので、そういった部分をしっかり見て楽しむのが良いと思います。
どちらかといえばザムドの正しい見方はこれでして、こういう各キャラそれぞれについての感情を意識的に追っていくように見ていると、2クール目に入ってからの群像劇的な展開にも戸惑わずに済むのではないかな。
〜視聴にあたっての注意〜
ひとまず上に挙げたことを頭になんとなく入れて頂ければ、少しばかりは実際に作品を見た時の助けになるんじゃないかなと思います。
『亡念のザムド』はとても良質な作品だと思うのですが、その分スタートダッシュに時間がかかると感じられる方もいるかもしれないのでイマイチでも4〜5話くらいまでは付き合ってみることをオススメします。
4話でアキユキがはっきりと自分の置かれてる状況を理解することで、5話からまた作品の雰囲気が少し変わるので見逃して損したということになるかもしれませんよ。
そして最後にザムドの視聴に際して注意することは、やはりネタバレの問題です。既にPS3、PSPにて全話配信がされていますので結末までの詳細は調べればすぐ出てきます。この日記にも結構なことを書いております。
公式HPでもキャラクターと各話あらすじ、スペシャル(壁紙除く)の三つは見たらアウトなんじゃなかろうか。いっそのこと公式ページはテレビ放映追う人用、配信で見た人用とかで分ければいいのにと思ったり。
確かにネタバレは初見時の面白さを損ねると思うのですが、それと同時にザムドは見れば見るほど発見のある作品でもあります。
過去の台詞の引用とか同じような描写の繰り返しといった“録画して見返し”推奨な演出が非常に多いんですよ!!
なので、結論調べてから見ろとは言いませんが、もしネタバレに触れてしまってもその結果に至るまでの過程、伏線とはいかないまでも先の展開の兆しがどう描かれているかに注目してみて貰えればと思います。
というか、一番の解決法は放送より先にPSストアで購入して見てしまえばいいんですよ。
さっき挙げたみたいにこの作品は見返すとニヤリと出来る描写などが多いのでテレビ放送で二回目三回目見るっていうのでも楽しめると思います。
配信版とテレビ版といえば、それぞれのOPを見比べてみるのも一興かと。
今後の展開が分かっている身からすると新OPはニヤニヤが止まらない。作りも配信版をかなり意識していますし。
個人的には、配信版のOPはかなり少ない情報量で作られていた印象で、それゆえに話の途中で驚いたこともあったのですが、テレビ版OPはまだまだそいつ出るの先だYO!!先走り過ぎだYO!!ってのまでどんどん出てくるので見どころが全然違ったりします。
そういえばEDの『Vacancy』は配信のままでしたけど、途中のCMだとKyleeの新曲がEDってことになってましたよね?
一話だけそのままなんだろうか。まぁ演出の都合もあるし、視聴者にVacancyも印象づける必要があるのかな。
そんなこんなでこのあたりでひとまず筆をおきたいと思います。とりあえず放送版一話見てから追加することがあるかも。
まぁ試しに関西は引き続き来週、関東その他は15日(水)にテレビの前に集合!!
とりあえず私がザムドを最初に見た時(四話視聴時点?ネタバレはなし)の感想エントリ↓
追記:毎話ちょっとした解説を書くことにしました。