ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

クオリティの高さに絶望せざるを得ない。 獄・さよなら絶望先生下巻



アフィ貼っといてアレですが、今日発売日のハズなのに既にAmazonでは品切れでマーケットプレースで購入するためには定価より値段が高くなってるのに笑う。
それだけ今回もクオリティが高かった。
個人的には上註と揃えてみてOP見れただけで元が取れてる気がしてたのですが、今回の下巻もそれは同様でOPの質が高すぎる。というか既にMADじゃなくなってる件。
もちろん、アニメの方もクオリティ高く出来てらっしゃる。とっても面白い。特筆すべきは、三本目の一本昔話って話がもしかしたら久米田先生描き下ろし脚本であるみたい。
というか、16集の書き下ろしページがそれの予告編みたいになってるので、まだOAD見ていない人は単行本の方から読むことを強くオススメする。私は気まぐれでコミックスの方から読んで正解でした。
「一本昔話」は簡単に説明すれば「望の異常な青春 または彼は如何にして希望するのをやめて身長をのばすようになったか」とでも言うべきか。細かいところは割愛。


それよりもなによりもまずOPですよ、OP。劇団犬カレーが今回もやってくれおった。今回も極上の出来栄え。
今まではアニメ一期二期の映像をそれこそMADのごとく組み合わせて画面を作ってた部分が多々あったけど今回はもう90パーセント近く犬カレー謹製の画面ですよ。
もう面影がほとんどないレベル。なのに、今までのOPの流れの延長上にあるという素晴らしい出来。
曲自体はオリジナルの空想ルンバかららっぷびとのアレに変わってしまっていた*1けど、あそこまで根本的にOPの内容を変えるのだから、曲自体もオリジナルのものと変えてしまうという発想なのでしょう、今回はあえて曲を変更したことは正解だと思いました。


OPのテーマからして凄い。獄註のラストにあった可符香の嘘から始まるキャラクター達のサーカス。
そもそも一期二期のOPのテーマがエロ、グロとなっていてその後に続いたのは偶像、偽物の記号であるサーカスであり見世物小屋。ここまでアニメ、そして絶望先生という作品にふさわしいテーマがあろうか。
一期OPで受精した自らの卵子を抱える望の姿だとか、二期OPで救済の場であるハズの空中においての心中のような落下。今までの流れを受けて、その上でここまでの内容に昇華しきるとは犬カレーはバケモノか!?


サーカスということで、各キャラクターが道化に扮して演技を行っていく姿が描かれるのですが、元々サーカスというのは最初期の歌舞伎がそうであったように、売春営業の商品カタログ的な意味合いがあったとかなかったとか言うらしいです。
そして、またサーカスというか見世物小屋は、奇異な視線をおくられるようなマイノリティの人々の居場所でもありました。
この作品にいるキャラクター達はまずキャラクターである時点で見世物であり、カタログの上の商品な訳です。それを絶望の少女たちで描きますか。アニメ作品としては当然の帰結ではあるけれどもどこからその発想が出てくるんだ。


もう一つ言及したいのが、観客と道化の一致。これそのものズバリ都市伝説のサーカスのコトリ、人攫いのままじゃないですか。そして楽しく振舞う道化の中の失意とか。
これも見るもの見られるものとか人間の中の二面性ですよ。それをこのような画面で描くことが出来たのか。
ああかくも狂気と絶望は美しい。


興奮しすぎでいつにもましてまともな文章になっておりませんが、それはもう凄まじい画面なのです。見ないのは損してる。
 

*1:基本ラップが苦手なのでらっぷびとのもあんまり好きではないのです