自分の魂が何を求めてるかなんて分かんない、なら考えるか。　亡念のザムドまじオススメ

最初『亡念のザムド』の今のところ（13話まで）の感想をまとめようとしていたら、自分の感想なのかオススメ記事なのかよくわかんなくなったのでそれぞれに分けます。
こっちはオススメ記事のつもりです。なんか好きすぎて良くわかんない文章になりました。
1話だけでもどこかで無料視聴とかすれば他の人が触れる機会が増えるのにな。

オススメ記事を書くにあたってやっぱりどんな媒体の作品であれ自分で触れるのが一番だし、何よりもったいないと思うので、なるべく内容に言及しないように書きます。見てもらうのが一番。

まず、当初から『亡念のザムド』はエウレカセブンだの、ジブリだの言われておりますがそれはもう当たり前でしょうがないと思うんですよ。
だってそういう経歴を経てきたスタッフさん達が多く携わっているものなんですから。それとパクリとかは別物だと思うし。
というかこれって極端な話、あだち充先生の書くマンガの登場人物はみんな同じ顔だっていうのと似たようなものじゃないだろうか。*1アニメに関してはそういう同じクリエイターがどうのって見方があんまりされない気がするんだよね。

と、しょっぱなから関係ない話にいきましたね、すいません。ようは良いものは良いのです。

では本題。
その視聴形態（PS3ストアでの購入のみ）からして話題にならなくてもしょうがないんです、この作品。
だから、どんな作品なのかってのをみんなが知らないのを良いことに適当なこと言っちゃう。
短く『亡念のザムド』を表現してみよう！！

『亡念のザムド』は自分の信仰のままに行動した人に襲われて、その結果、あなたは母になりました。色々あって、その子供なしだとあなた生きてけないよ、どうする？

ってな感じです。

ただ、これを真に受けてザムド見ちゃったらひどいことになると思う。ごめん。（ぇ
でも間違ってませんよ、きっと。

別の言い方をすると、『亡念のザムド』は主人公アキユキが成道を得る、つまり悟りを得るまでの物語、かな。
それに横の線として宗教だの親子だの戦犯だの友との愛憎だのが絡んでくる。

ザムドという存在になってしまったアキユキは、そのせいで『考える』ことを続けないと、文字通り石になってしまう様になるんですね。
ザムド *2は何を求めるかと、考え続けないといけない。自我というものを失わずに考えないといけない。

でもちょっとまて。
確かにザムドは後天的な外部からのものではあるけれど、アキユキがザムドであるっていうことは既に事実になってしまってることじゃないか。
アキユキ＝ザムドなんだったらザムドが求めるものってアキユキ自身が求めるものじゃないんだろうか。それなら簡単じゃね？
あれ、じゃあ僕が求めるものはなんだ？答えられる？

この答は意外とそうでてくるものじゃないと思います。あなたは、私は、石になっていませんか？

また、反対に考えるからこそ心を石に変えてしまったり、また考えた結果、石にはならずにでいるけれど心を黒く染めてしまったりしたキャラクターが出てきます。
では、もしそうなった時の、あなたの求めるものとは？
みんなを守れる力？愛するあの子？12センチの身長？

まだ物語は折り返し。彼らの答えがどうなるかはまだわかりません。

あと、他にテーマとしてあげられるのはコミュニケーションとか母子ということなのでしょうか。
こう難しいことが並んでいても、アキユキが近年稀に見る良主人公というか、主人公らしい主人公なので見ているこっちは安心して作品を見ることが出来ます。主人公にムカついたりしません。（三話除く）アニメというのはこうでなくちゃ、という感じ。
そのおかげで彼への各人の思いが理解しやすくて。そこから更にそれぞれのキャラクターが理解できるようになっている。
たとえば、人間はこうねじれていくんだなぁとかね。
でもそれは悪なのかな、単に欲しいものを欲しいと望んだだけじゃない？とかも考えられるし、とても良く練られた構成だと思います。

あえて『エウレカセブン』を例に出すけれど、『エウレカ〜』がレントンが大人になるまでの作品だとしたら、『ザムド』はその延長で、自分の生き方をどうするのかということをアキユキが得るまでの物語じゃないかなと思います。
“ともにいきる”
自分が言ったその言葉をアキユキがどう昇華していくかこれがどう結実するか、という物語。
本当に良い作品です。1話300円かかりますが*3損した気分にはならないよ。
ただ1話だけならぶっちゃけけっこう凡庸なので（まぁ私は好きな要素あり過ぎでKOでしたが）2話も一緒に、できれば4話まで一気に見ていただければその魅力が分かってもらえると思います。
ぜひ。