ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

亡念のザムド各話を勝手に解説していくシリーズ 第11話

配信にて全話視聴済みのrivfiがネタバレにならない程度に、テレビ放映された回の分かりにくいところ、今後に備えてちょっと大事なところなどを書いていくコーナーです。あくまで私の勝手な解釈なので間違ってたらごめんなさい。


はい、㈲ザンバニが倒産した11話でした。
さて、船が沈んでどうなるか。これからまた展開が動きます。そもそもザンバニは家族を表現しているものですから今回はその家族の家が壊れてしまったようなものなんですね。
ではでは、解説に参りましょう。


〜色々と解説〜

  1.今回、何が起きたの?
ザンバニ号が北政府軍に襲われました。前にも書いたようにヒトガタ兵器は基本的に北側の兵器ですね。
何故ザンバニが見つかったかというと、雷魚、アキユキの二体のザムドヒルコにヒトガタが引き寄せられたこととユンボと伊舟の言い争いにもあった通り、航路に問題もあったのかも。


  2.何故ナキアミはヒトガタを殺すなというのに、雷魚がバッサバッサとヒトガタを切断していっても何も言わないの?


※ただし、イケメンに限るから


冗談です。4話の解説にも書きましたが、雷魚は一緒にヒトガタに付いてるリングも壊してますよね。あのリングが破壊されるとヒトガタは北政府側の制御から解放されて解体されるということになるみたいです。
もうひとつ雷魚が殺していないという証拠に彼が相手をしたヒトガタは石化していませんよね。切断のダメージより先に、リング破壊による解体作用の方が早いのでしょう。


  3.ナキアミはヒトガタに元の姿に戻してやるといってたけど、戻ってなくね?
そうですね。戻ってないです。ただセリフにもある通り、ウツツダネ(ナキアミがアキユキに渡したのもこれ)の純度が高ければ体も元に戻れるようです。
おそらくナキアミは魂の声が聞こえる(ザムドの声が聞こえるのもこのおかげ)のでヒトガタ兵器となってしまった生物の魂を解放してやるのが第一義なんでしょう。体を魂より重視してないと言えばあんまりですが、分かりやすいかな。
ただ、魂の声が聞こえてしまうからこそ、今回のような戦いの場面になったときに大いに悩むことになるんですね。


さて、今回分かりにくいのはこのぐらいでしょうか。


〜チェックポイント〜

  1.疑似家族としてのザンバニ
冒頭にも書きましたが、ザンバニ号の面々というのは家族の暗喩であるわけです。家族といっても単純に一人一役という風に決まっているわけでなくて、複数の人物が色々な役割を同時にかけもちしているわけです。*1
で、当然そう言う見方で今回の話を見ていくと気になる点は二つ。


一つは、アームの父親宣言ともう一つは母親役二人、伊舟とユンボの言い争いのシーンですね。
まず前者について。アームとヒノキマルの「トトになってくれるって言ったのに」のやりとりはビックリしましたね、お前らそんなことあったのかっていう……必然的にユンボも絡んでくることになるし。
で、その後のアームが打ち抜かれるシーンで「死んだ!?」と思った人も多いのではないでしょうか。でもあそこで彼が死ぬはずがないんですよ。なぜなら彼は賭けに勝っているから。
賭けというのは直前のヒノキマルとのやり取りですね、(砲弾を敵船に)当てたら自分のことを信じてくれるか?というアレ。その後、見事に敵船を撃ち落としたので賭けに勝った=彼は自分のセリフが真実になるルートに入ったということです。
ですので、まだ父親的役割を負うてないアームがあのシーンで死ぬことはないのですね。
さて、ここで登場しました、“父親”です。ザンバニ内には母親役はたくさんいましたが父親役の人間はいなかった。
雷魚が一見それっぽいですがあくまで彼は先達でありどちらかというとアキユキの兄のポジションです。
というわけで今後ザンバニ内での父としての役割を負うことになったアームがどういう立場に立つのか注目してもらいたいと思います。
まぁ既に登場している父親キャラ二人(アキユキの父リュウゾウとハルの父ジンイチロウ)のキャラクターからしてこの作品内における“父親”がどの様な扱いになるのかは想像できますか笑”


もう一つが伊舟とユンボのケンカ。ここで母親役が担う役割の一つについてちゃっかり語られています。
ここで二人は足枷がどうのとか身が軽くてというセリフを述べているわけですが、子を持つということで足枷を背負う、動きにくくなる。であるからこそ、母は強し、となるわけですが、ご存じのとおり伊舟もしっかりナキアミという荷を負うているわけです。
ナキアミの母としての役割を負うているからこそ、ナキアミにつらく当たるし、また彼女の頭もなでてやる。
この辺りを頭に入れてみるとヒトガタ使いと伊舟のやりとりが違ったものに見えますよ。
というわけで次の項目に続く。


  3.ナキアミの鏡としてのヒトガタ使い
伊舟が殺したヒトガタ使いですが、マスクの下の顔のペイント、髪型から分かるようにこのヒトガタ使いはテシクの一族の者ですね。また、「お前もヒルコの声を聞けば〜」のセリフから彼女もナキアミと同じように魂の声を聞く能力を持っていることが考えられます。
なにより!!声優が三瓶さんであること!!気付かれましたか?トーンをかなり落としてあるので分かりにくくなっていますが、あの声は三瓶さんですよね。
じゃぁヒトガタ使いを演じたのが三瓶さんであるということにどんな意味があるのか。決してギャラの節約ではありませんよ。*2
あれはそのまま、ヒトガタ使いが未来のナキアミの姿、もしくはそうなってしまっていたかもしれないナキアミのことを表しているのではないかと。そのもう一人のナキアミを彼女の母親役である伊舟が殺すんですね。さて、伊舟の胸の中に去来する思いはいかに。
念のため言っておきますが、二人の話で心を石にしてしまっているとかいうのはナキアミのことですよ。
そして石になってしまったことを嘆くのはナキアミ自身でもなく、もう一人のナキアミ役であるヒトガタ使いでもなく彼女の母親役である伊舟であるということ(「哀しいな。」→「それ私の台詞なんだよ」のやりとり)の切なさ。



うわ、すごい長くなってしまった。あと箇条書き。
・ちょっとの描写で分かるアキユキの成長。そしてありがとうの言葉。彼は想いを言葉にする人間なんですな。
キセル爺がザンバニにつけてる小型ポッドは2話で出てきていた尖端島製のものです。覚えてましたか?
・フルイチが頑張っていましたが、水槽の中は泡すらでていません。つまりASPを動かせなくなってますね。


さて、次回mbsは2話連続放送ということで、関東圏の人より進行がリードしてしまうわけですが更新をどうするか考え中。(私は神戸の人間。)
次回予告を聞いて金色夜叉っぽいな、と思ったのは私だけでしょうか?


10話のはこちら↓

12話のはこちら↓

 

*1:この辺りは3話の時に書いた。http://d.hatena.ne.jp/rivfi/20090429/1241026999

*2:そんなならあんなチョイ役に大塚明夫さんとか呼んでこないわな。