ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

サンデーのマンガ版『魔王』が気になる。


今週掲載のお話で取り敢えず一区切り付いた漫画版『魔王』ですが、原作の小説の内容を踏まえて読むとなかなか面白い。


原作には全然なかったバトル要素とか主人公の成長とか上手く少年漫画のテイストを取り入れてる。


あと、原作既読者に対してネームの切り方ですごく気を遣ってると思う。先週の見開きいっぱいの巨乳とか、ちゃんと押さえるトコは押さえて、さらっといけるトコはさりげなく流すのがマンガ版ツマンネってなるのを防いでる。


さて、原作小説『魔王』としてのお話はマンガ版でいうところの第一部で完全に消化してしまったわけだけど、第二部からは果たしてどういう話になるんだろう。
普通なら、書籍版に同時収録されている続編、『呼吸』の内容に沿って描かれるのだろうけど、この『呼吸』という短編では登場人物の中に犬養に対するキャラクターがいないんだよな。


『呼吸』では安藤の弟の潤也に焦点があたるんだけど、彼は思うところさえあれど犬養を止めなければならないっていう意志がまったくないんだよね。
だから、『呼吸』をそのまま漫画版第二部とするのはかなり厳しいのではないかなぁっと。


なぜなら少年漫画という作品の都合上、はっきりとした敵、悪として描かれてきた漫画版犬養は、直接的な本人の考えが全く見えない小説版の犬養とかなり異なる扱われ方をされてて、なにより倒すべき存在として定義されているんだもの。


掲載誌であるサンデーの特色上、敵、悪として描かれたキャラクターを放置して、話を展開することはほぼない、と思うんで、第二部以降は『呼吸』の設定だけを踏襲するかはともかく、第一部以上に全く違ったストーリーになるはず。


期待して待とう。