どこがテンションの山頂なのか全く読めません。 弱虫ペダル面白いです。
昔からどうも僕にとっての鬼門というかコミック、ノベル問わずあんまり読まないできたジャンルがありまして。はい。まぁスポーツものなんですが。
あんまり子供の頃から体を動かすのを得意としてこなかったからカタルシスを感じにくいのか、作中にリアリティのなさというか非現実的な部分がどうしても出てきちゃうのが苦手なのかわかりませんが、どうもそこまでハマることが少なかったんだなぁ。
スラムダンクとか世代的にはドハマリしてもいい感じなんだけど、周りの友達とかと比べるとそこまで熱中してる訳でもなかったし。*1
でもこれは、何だかよくわかんないけど物凄く面白い。多分私が今一番チャンピオン連載で楽しみにしてる作品。
って画像ないんかい！！どうなってるんじゃ。
気を取り直して『弱虫ペダル』の紹介ですよ。昨日四巻が出たんだけどこれが面白い。
なんでこんなに面白いのか分かんないくらい面白い。
今まで運動が苦手だった主人公が何かの競技ですげえ才能をブレイクさせる的な作品はよくある。
けど、これは主人公に特に才能があるっていうのじゃなくて、たまたまひ弱で体が軽かったから登り道に強かったんだよ、とか、今まで主人公がなにげなくやってきたことはスゴいことだったんだよ、その積み重ねが今やっと花開いたんだよ、っていう方向で主人公を持ち上げていってるのがいい。
もっというと、今まで得意なことがほとんどなくて気弱だったからこそ、仲間や先輩にアドバイスされたことだけを必死にひたすらに信じてペダルをこいで行く小野田。これがかっこいい。彼に特別なところなんて何もない。むしろ今まで運動がニガテだったという弱点を抱えている。でもだからこそ何もできないからこそペダルをこぐ。
弱虫でもただペダルをこいでいれば前に進める、それだけで主人公が戦っていく。これが面白くないはずがないじゃないですか。
あと、この作品にはもう一つ特異なところがあってスポーツマンガ、格闘マンガとかでよくある驚き役、解説役に素人がいない。
最初の今泉と小野田君の裏門での戦いは今泉ファンの女子っていう素人がいたけど、あれは多分、連載初期で読者側にある程度ロードレースの知識をつけてもらうためっていう意味合いがあって登場したんだろうと思う。それ以降は驚き役解説役はみんな自転車経験者だったり基礎知識は持ってたりする。*2
マンガだと必ずといっていいほど観客の素人（まぁ読者の代わりなんですが）がキャラクター達のやってることの説明を聞く場面があるわけでそれがないってのはスポーツものだとかなり珍しいのはないかな。
でもこれって結構リアルにあることだと思うんです。たとえば、テレビでサッカーとか野球見ながらワーワー言ったり采配に文句つけたりして楽しむのっていうのはその競技に興味があるからやるわけで、そもそも興味ない人はスポーツとか見ないですからね。
そして、ある程度の知識があるからこそ、〜〜選手の〜〜は上手い、とか、今のプレイはスゴイ、なんだあれ！？って感想とかが持てるってのはあると思うんですよ。
標準のレベルも分かんないのにあれはスゴイ、これはスゴイっていっても無知な人はポカーンでわかんないですからね。
で、この『弱虫ペダル』はみんな小野田がやってることの凄さや素人の小野田の可能性といったものを理解しながらレースを見守るわけですよ。観客役のキャラクターたち自身が本当に興奮、ワクワクしながら見てるのが分かるから、門外漢であるはずの読者たちにもその興奮が伝わる。この構図はとってもいいと思います。
そして何より、小野田が楽しみながら自転車っをこいでる姿がとても良い。今までできなかった仲間と一緒に何かをやるってことが楽しくてしょうがない様子が描かれていてとてもいい。そして本誌だともうその楽しみが奪われた時にどうするのかという課題にブチ当たっていてとても良い。
なんか私まで自転車乗りたくなる、何か歌いながら。
現在たった4巻、チャンピオン本誌でもまだ他校とのレースはなく強化合宿中なだけなのにここまで盛り上げてしまっていいのでしょうか。インフレがどういう風になるのか全く読めません。でも、これが楽しみでもあるんだな。
関係ないですが、スポーツマンガといえば今マガジンでやってる『ベイビーステップ』もとても面白いです。数少ない私のかじったことのあるスポーツが題材っていうのもあるんですが、こちらは派手さはないけれど、確実に主人公のエーちゃんが力を付けていってる様子が描かれていて面白いです。
今まではテニス経験者だったら、こんなことあるある、といった感じで練習や試合の様子、メンタルの持ち方とかとても共感できる内容が豊富でそれはそれで面白かったのですが、最近はプロを本格的に目指すという、ちっとかじった程度の私では到達しえない領域にエーちゃんが足を踏み入れ始めていて、これからどういう風な方向に話をもっていくのか分からない感じになってきてもっともっと面白くなってきております。
こちらも今月新巻が出るのでぜひ。
