ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

よっしゃ!!ついにネウロ終わる!!


こんなタイトルですが、私は『魔人探偵脳噛ネウロ』というマンガ作品は大好きですよ。
と、いうわけで今週のジャンプ掲載話ラストにおいて、とうとう"最後の事件"というモノローグが出ました!!これで近々ネウロが終わることはほぼ確定ではないかと。


好きな作品が終わるっていうのに喜ぶっていうのはちょっと変なコトかもしれませんが、僕としてはネウロという作品は長期連載が向かない作品だと思っていました。
元々、ネウロは推理作品の殻を被った娯楽作品というフレコミの作品でした。
するとやはり、長く続けるとトリックや事件の奇抜さ、犯人のエキセントリックな方向といった諸々の要素がネタギレしたり、読者側の感覚がマヒしたり(もしくは飽きたり)ということが起こるようになってくると思います。
それを避けたためか、ジャンプメソッドに影響された一面があるのか、サイ登場やHAL編あたりからバトル物のような部分が強くなってきて現在の6編に至るわけですが、バトルマンガ要素と探偵マンガ要素は混じり合うのがたいそう難しいもの*1*2*3なので、ネウロの作風も初期のものとは変化しています。


現在探偵の役割を作中で主に引き受けているのは非戦闘員の弥子であり、今まで(魔人の力を活かした)探偵の役割にいたネウロは今は(魔人の力を活かした)戦闘員としての役割を強く持っている。
これは、今までの事件で弥子が成長してきた描写があったから出来ることなので作品がある程度の長さにいくまでは表立ってどんどんやるわけにはいきません。
また、究極の謎を求めるのは探偵役のネウロであって、謎を解かない戦闘員役としてのネウロが(新たな探偵が育った状況の中で)究極の謎を求めるのとは意味が異なりますので大事な作品の軸をズラしてしまうことになります。よって現状の役割分担のまま作品を進めることは難しいのです。
こういった理由から、私はネウロという作品が好きなのにも関わらず長期連載にはなってほしくないと考えていました。できれば30巻が見えてくるまでには完結してほしいなと願っておりますた。


というか、ジャンプという雑誌において綺麗な形での完結を迎えるというのがどれほど難しいことか!!
突きぬけるのはもちろんのこと、人気のある作品の場合はなかなか作者さんの方でも作品を終わらせるのは難しいと聞きます。
そんななかで今回の"最後の事件"などという風に作品完結に向けての仕掛けを組みながらゴールに迎えるというのはいかに素晴らしいことか。
良い終わり方に向かっていってるのではないかと思うとそれはそれでワクワクするじゃないですか。するんですよ、私は。


ネウロと同時期に連載の開始されたムヒョは既に終わり、その西先生はちょうど新しい連載を始めた、それくらいの時間が連載開始から経った訳ですが、松井先生はネウロがデビュー作ですからね。綺麗に完結してもらって松井先生の別の作品を読みたい、くらい思っても罰は当たらないと思います。
好きだからこそ終わってほしい。そんなこともあるんですかね。


いや、本当にネウロは僕にとってツボをついてくるいい漫画だ。
 

*1:少なくとも私はそう思っている

*2:探偵モノは真実っていうかトリックを隠せるか暴けるかという戦いなんだけど犯人側が勝ったところで話を転がすのが非常に難しい。一方、バトルモノは負けても修行だとかリベンジだとかで話が展開できる。というか、探偵モノは基本的に探偵側に圧倒的に有利に話が作られている。

*3:なので探偵モノのライバルは滅多なことでは捕まらない。っていうかカッコつけてても要は逃げてるだけじゃねぇか!!たとえ一部の部分で探偵側を打ち負かしてたとしても後出し要素が強すぎる気がする。あ、あくまで探偵サイドが主人公の時の話