ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

俺達どこまで行ける? どこまでもだよ!!  天元突破グレンラガン 螺巌篇感想


紅蓮篇の時はネタバレ感想も書いていたけど、亡念の〜関連とかでネタバレの加減とかが分かって来たので今回はなしで。
公開からしばらく経って、ある程度内容が周知されたら内容に関する感想も書くかも。


さて、肝心の感想ですが、一言でいうと、今までの天井に風穴を空けて更に天元突破していました。(自分でも何を言っているか分からない。)


紅蓮篇があのはしょり具合だったので、それに伴って今回もかなり話の筋自体は変わっています。
というか、新規カット多すぎ、旧カットも効果の変更が多すぎで、完全新作と間違えかねないレベル。
ただどうしても展開が分かっているので、紅蓮篇の無茶苦茶な後半30分を見た後だと、正直、途中までは期待値ちょっと下をいく評価でした。
しかし、またしても後半30分の怒涛の新展開を見たらもう満足ですよ。
それを見た後では、最初イマイチだった前半も全体の構成を考えるととてもうまく出来ているように感じられました。



凄い、と思うのがあれだけ後半の話を変えてきても、追加要素の全てが不自然なものではないこと。
いや、もともと勢いだけの無茶苦茶な展開の作品ではあるんだけど、イキナリ突拍子のないものが追加されるわけではなくて前振りみたいなものが事前にあったものばかり。
テレビ放映後に色んなところの感想で言われていた描いてほしかった描写とか、ビジュアルブックなどで設定だけは出てきてたけど、本編では登場のなかったものの登場とか。
なにより、コレ↓

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見るまでに時間があるという人はノベライズ版の後半を是非読んでから行って欲しい。
前半の一、二巻もとてもいいノベライズだと思うけど、やっぱり三、四巻は脚本の中島かずきさんが直接書いてらっしゃるからキャラクターの心の機微とかが細かく書かれていると思う。
それでパンフレットのインタビューにも載ってるんだけど、実は小説版は螺巌篇の二稿が書かれた後に執筆されたものらしくて*1、ノベライズ版で追加されていた心情描写とか台詞が映画にも表れていて、小説で補完されていた部分が劇場版で更に昇華されていた感じ。


関係ないですが、小説版はヴィラルの甘い夢が3ページにわたって描写されていて、あの一分程度のカットの深みが増しているのでヴィラルファンはそこだけでも立ち読みでもいいから読むべき。というか色んな意味でヴィラルは劇場版も小説版も優遇され過ぎている。閑話休題


特に螺巌篇では内容をまとめる為に、話の中心をシモンとニアに絞っているので、小説版で一度彼らの気持ちを文字に起こしておいたのが良い形につながったのだと思う。
特に螺巌篇ではニアのキャラクターが掘り下げられているのだけど、この形になるのにはノベライス版は必要だったのだろう。
だからこそ、スタッフロール後のシモンの台詞が活きる形になっている。
本当に幸せな作品だと思う。


そろそろ長くなってきたので以下、箇条書き。
・上川さんと池田さんがノリノリすぎる。特に上川さんがカッコ良すぎて困る。
・追加カットがズルいのが多い。特にテレビ版での『行くぜ、ダチ公』の回の部分の追加が切ない。
・ヴィラルが美味しすぎる。(二回目)
・ネタバレ満載だった紅蓮篇パンフと比べ、今回はアニメ誌とテレビ版見ていれば既知の情報だけなので見る前にパンフ見てもいいかも。その分、螺巌篇の設定集欲しいなぁ。
・EDがやっぱりズルすぎる。EDだけで泣ける人続出だと思われ。


そんな感じで物凄く面白かったので、ぜひぜひ劇場へ。
とっても素敵な時間が過ごせたと思う。私もあと二回は見に行く。


EDが脳内無限ループなんですが、はやく発売してくれないかしら。

 

*1:後書きによると一項を修正したのがノベルス。ちなみに映画に使われたものは三稿