ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

劇場版交響詩篇エウレカセブン ポケットに虹がいっぱい 見て来たのでなんか感想とか書く。


というわけで、昨日の螺巌篇に続いて劇場版エウレカセブンの感想なんぞ。
これもグレンと同じくネタバレなしのエントリだけど、この作品はネタバレした上で何か色々と論じてみたくなるぞ。*1
しかし、これはまた京田監督はやっかいなものを作ったもんだ。



で、肝心の内容ですがテレビ版の『交響詩篇エウレカセブン』が好きな人ほど、この劇場版は落とし穴かもしれない。
予告とか見ていればある程度想像できたけど、話の変わり方が換骨奪胎ってレベルじゃなかった。逆に既存の話がブラフなんじゃないかといっても間違いでない。
だから、完全なパラレル*2として見ることが出来ないと厳しいのではないかと思う。
逆を言えば、パチンコから入ったとかでテレビ版を見ずに劇場版を見た人の方が楽しめるのかもしれない。
そういえば、カップルで見に来ていた人が多かった印象があるのはエウレカセブンという作品ならではか。
レントンエウレカのいちゃいちゃ度はアップしている*3し、京田監督も今回はファンタジーとして作ったって述べているので、デートムービー的な要素も結構ある気がす。いわゆるライトオタなカップルには最適なんではなかろうか。(ヘビーなカポーが行くと大変なコトになる悪寒)


色んなところの感想を見ていると、視聴一回目は話の違いに戸惑ってイマイチな感想を持ちがちだけど、視聴二回目以降からは劇場版設定が頭に入っているから、見直す中で色んなところを楽しめて印象がぐっと良くなるというスルメムービーであるという意見がちらほらあるので複数回見てみればいいのかも。*4
私はまだ一回しか見てないけど、テレビ版とは別物として割り切れば面白かったと思う。
ただ、自分の中でこの作品をどんな位置におけばいいのか大変悩ましいです……
ボーイミーツガールものとかセカイ系とかを否定してるような肯定してるような???
テレビ版との対比に重きを置いて作られているとするならとんでもないぞ、これ。


さてはて、話はかわりまして、構成の佐藤大氏がいなくなったからかサブカル分がそぎ落とされているから、そういう部分を気にいってエウレカセブンを見ていた人はがっくりするかも。
ただその分、エウレカレントン関係性へのスポットが強調されていて、レントンに至っては最初からテレビ版3クール目以降な感じで、初期の事態に巻き込まれるだけの状態をすっとばして、エウレカのために行動する傾向が強くなっていたりするのでこの変更はマイナス成分だけではないと思う。
というかそうでもしないと二時間にまとまんないよね。今の段階でさえ、最初の設定をかなり削って作ったってパンフレットにも書いてあるし。



で、個人的に重要なのはやはり!!


ドミニクがイケメンすぎる。


アネモネの役割が美味しすぎる。


私としては、本当にこの二人が色々持って行ったと思います。
ガリバーがいなかった(たぶん)のはちと残念ですが、結果的に二人が幸せならそれでいい。



こっからはどうしても我慢しきれないので内容に関わるかもしれないけど、書いちゃう。嫌な予感がする人は次の段落まで目を背けてください。
主要キャラクターから本当の意味での“子供”をおろしたのは、今回のテーマを考えると非常に意味があったと思う。でないとうんぬんかんぬん←自重
あと、映画自体では直接出てこないけど、パンフに載っている関係相関図を見るとレントンの父親の名前がチャールズ・サーストンになってるのが泣けるんですけど。テレビ版にはほとんどなかったレントンの母親に関する言及もちらほらあって、父親の名前がチャールズだってことは母親の名前も必然的に決定でして。なにこれ、ほんとに切ない。



そんなこんなで色々と凄いことになっております。
前述のように変わりっぷりがとんでもないので、何が何でもオススメというわけにはいきませんが、おっかなびっくり見に行ってくださいな。


いやぁ、しっかしテレビ版でダメだった人はますますダメになってきた気がするぞ。
 

*1:といっても私なんかは大したことは言えないのでしょうが

*2:テレビ版の数万年前の話かとも思ったけど、ちょっと違うと思う

*3:エウレカのツンがない

*4:というかまだ公開二日目だというのに二回以上見てる人が意外と多くてびっくりする。