昨日の押切作品感想に書き忘れがあったので別にかいとこう
押切作品について書く前に入れようと思ってた内容を一つ忘れてたんだけど、今さら入れなおしても構成的に微妙なので分けて書く。そんなたいしたことじゃないはず。
押切作品の犬の扱いは他の動物とはかなり異なるのではないかと思います。
『でろでろ』だったら犬は人間にもなるし、妖怪にもなってる。そのどちら側でもないような存在、昨日のエントリでいうと非現実と現実の間にいるのが犬といっていいのかもしれないです。
短編『Beautiful』なんかだと犬が泣きながら、世界の脅威と戦ったりするんだよね。
で、犬キャラの中には、『でろでろ』のサイトーさんみたく、ワンワン、クゥーンっていう鳴き声の擬音のうしろにカッコでその鳴き声がどういう意味なのか説明されてるやつがいるんです。ワンワン(怖かったワン)って感じで。
ワンワンの意味を説明してるはずのカッコの中にあえて、ワンを更につけくわえる意味が分からない。普通に怖かった、でいいじゃん、説明するだけなんだったら。なんだろう、ギャグの理屈を説明するという、ものすごいさっぶいことをやってしまった気がする。
とにかく、それがどうしたかというと、『ゆうやみ特攻隊』で二巻初期くらいまでは、例に挙げたような鳴き声の説明が書いてあった2号(犬の名前)の鳴き声に、展開が本格的にシリアスになってきた二巻後半からは完全に説明がつかなくなってる。単に鳴き声がかいてあるだけ。これはどういうことなんだろう。やっぱりゆうやみ〜では、今後ギャグをある程度切り捨ててシリアス路線で行く覚悟を作者が決めたんだろうか。
人間がオバケ化というかヒトあらざるもののように描かれ始めてから、ある程度人間性を持っていた2号が逆に動物に戻った、というのは大変興味深いコトだと思います。
あと、友人に昨日感想あげた二作品を読んでもらったら、この人はホラーの常識を楳図かずお先生の如く、かなり理解して書いてるから、「次、絶対怖いよ。ページめくるの嫌だな、嫌だな、」みたいに読者に思わせながら読み進めさせるのがとても上手いって言ってた。分かりやすくて見事な感想だ。見習いたい。
まったく関係ないけど、近場で『プピポー』が売ってないんだよね。やっぱりAmazonで買うべきなんだろうか。
あとちょっとだけ触れた短編『Beautiful』は名編。これ読んでから私は押切蓮介ワールドにハマりました。
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