ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

久々にウルトラマン見たい


「大決戦!超ウルトラ8兄弟」公式サイト


というわけでウルトラマン祭りというべきか、新旧ウルトラマン揃い踏みな映画が明日公開になります。
僕は最近、特撮ものチェックできてないんですよね、あれだけ話題になった電王も数話程度しか見れてないので、アンテナ広げたいなとは思うんですがなかなか……


で、一番最近、特撮でシリーズ通じてしっかり見れてたのが、たぶんウルトラマンメビウスだったと思います。
新人ウルトラマンって設定も良かったんですが、僕が視聴を続けていた大きな理由の一つが旧作とのリンクが多々あったことですね。
レオ(おおとりゲン)がメビウスを叱責するわ、北斗と夕子が再開するわ、あのメフィラスがでてくるわ、80の教師エピソードを復活させるわ、怪獣使いと少年の続編があるわ、なんだこれ。
それだけで、もうお腹いっぱいだったのですが、個人的に少しだけ残念だったことがありました。


それはいわゆるウルトラ平成三部作の三人が登場しなかったこと。
設定的にも、M78星雲に関連のない平成作品からの出演は難しかったのでしょう。
ですが、やはり、ビデオで見ることの多かった旧作と違って、毎週放送を追って見ることのできていたウルトラマンを僕はもう一度見たかったのです。
平成三部作の何が好きだったのかちょっとまとめてみたいと思います。(特にティガについて)


平成ウルトラの何が凄かったかというと、ウルトラマンを特別な存在にしなかったこと。
ティガ最終回では、一度はラスボス(なぜかクトゥルフ風味)に敗れたティガがみんなの心の光で復活するんですね。
今までの作品だったら、元気玉みたくみんなの心の力をウルトラマンに送ってそれで復活だったのでしょうが、ティガは違いました。
なんと、心の光に目覚めた子供たちがティガと合体するんです。(体は人間のままだけど、精神がティガの中に飛んでる。)
今までは人智を超えた、文字通り超人、ウルトラ・マンだったウルトラマンをティガはぶっ壊します。みんな光になれる、みんなの中に光、ウルトラマンがいる、と。
今までのウルトラマンは、あくまで人あらざるものだったから最終回で、人間に別れを告げる必要があったんです。そして、これからは人間が彼らの代わりに頑張れというメッセージを残す。このパターンが多かった。
でも、ティガは全然違った。ダイゴ*1は最後変身する力は失うけど、人間みんながウルトラマンなんだから大丈夫っていうんですよ。
この捉え方の違いは似てるようで全然違いますよね。


なにこのポジティブ作品……とか思っちゃいけません。そんな単純にイイ話じゃなかったんですね。
なんと、ティガ劇場版で、実は、ティガ(ウルトラマン)が悪の化身だったという設定が付け足されたんです。
テレビ版最終回で、人はみなウルトラマンだ、って言い切ってたんですよ。
それが、そのウルトラマンは実は悪の化身だったんです。要は、人間はみな悪だ、って言っちゃったんですよ。
で、その内に潜む悪のせいで古代人は滅んじゃったって設定なんです。
テレビ版ではみんながウルトラマンだから大丈夫、だったのが、みんながウルトラマンだったから、古代の世界は滅んだ、ですよ。
これは今考えても凄い。この設定が平成三部作には一様に流れてるんですね。
今のライダーシリーズに続く大人の鑑賞も考えた特撮作品の先駆けと言っていいでしょう。*2


他にも、ティガには、初代ウルトラマン制作直前の円谷プロにダイゴが迷い込んで円谷英二と会うエピソードがあるんですね。この事件をきっかけに円谷監督がウルトラマンを制作することを決めるって話なんですが、特撮作品でここまでメタ的に同系列の作品をとらえたことがあったでしょうか。
ティガばかりになりましたが、他にも、ダイナ、ガイアでは魂がプラズマだとかいうある種、哲学的な話を持ってきたり、人造ウルトラマンが暴走したり、地球によくないから人間は死ねばいいんじゃねって考えのウルトラマン(けっして偽物でない)が出てきたりと、大変凝った設定で僕達を楽しませてくれました。



その平成ウルトラマンが復活するんですよ、しかもキャストそのまま、更にウルトラ兄弟まで付いてくる。
ものすごく見たいわけなんですが。「大決戦!超ウルトラ八兄弟」
あ、あと敵がヒッポリト星人ってのも個人的にポイント高いです。あれホントに怖かったもん、子供の頃。
三連休で時間が作れればいいな、と思います。
 

*1:ティガに変身してた人。長野博が演じた。今考えるとジャニーズがウルトラマンってすごい。

*2:とはいっても昔から特撮ものには社会風刺ネタや産業批判などそういった土壌はしっかりあったのですが