ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

今度の新刊はすげえぞ。って井坂好太郎も言ってた。  伊坂幸太郎 『モダンタイムス』読んだよ。

モダンタイムス (Morning NOVELS)
伊坂 幸太郎
講談社
売り上げランキング: 31


これは絶対に『魔王』を読んでから読んだ方がいい。
サンデーの漫画版含め『魔王』が好きな自分にはとても面白かった。
というか、『魔王』読んどかないと色んなシーンの意味がわかんないのでもったいないと思う。



『魔王』も『モダンタイムス』も超能力っていう設定がひとまず是とされてるから他の伊坂作品と毛色が違うというか、はっきりいうとラノベっぽい。*1ラノベっぽいけども、主人公が最後は勝ってスカッとしたいような人にはこの結末は受け入れにくいかもしれんね。途中の展開だけ見るとかなりマンガっぽいし、少年マンガ的なカタルシスが得られる部分があると思うんだけど。*2
弱者の無力感とか世の中の不条理さ(そして、それはけして覆らない)っていうのが好きな人にはオススメします。
あ、でもそういう人にはホテルで捕まってからのシーンの顛末とかはちとヌルすぎる
と感じるかもしれない。でも、ああしないと次の展開にもってけないからしょうがないか。


個人的に気になるのは予想してた以上に『魔王』キャラのその後が描写されていたので、この『モダンタイムス』で明かされた設定が漫画版『魔王』に反映されるかどうかということです。今、サンデーだと『呼吸』にあたる部分がマンガ化されてるわけですが、しょっぱなから小説と全く違う話になってるので、モダン〜のシステムがどうのって話につなげるのは難しいのでないかな、と思うのでサンデー漫画版だと今回の設定は無視されそう。


最後に、主人公の妻の佳代子さんていうのがいるのですが、このキャラクターが素晴らしい。ものすごいツボです。ネタバレになっちゃうので続きで伏せて書くけど、被虐嗜好がある人*3は物凄く好きそう。だって劇中最強なんだもの。
続き書いたよ。


超美人。蠱惑的だとか、妙に可愛い表現や感応的な表現が動作についたりする。
主人公の浮気を疑ったら、どっかの乱暴な人に尋問(爪はいだり、腕折られたり)頼んで浮気を吐かそうとする。
尋問頼まれたどっかの怖い人が「よくあんな人と結婚したよな。同情するよ。」とか言ったりする。
まず仕事何やってるかわかんない、なんか戸籍いじってて年齢すら本当かわかんない。
前に別の男と結婚してたらしいんだけど、一人は死亡、一人は行方不明。ちなみに前の夫の浮気相手にはカラオケ歌っててアキレス健が切れて発見される、という謎現象が起きたらしい。
尋問頼むだけならいいけど、リアルに戦える。めっちゃつおい。
首ふんじばって意識失わせるとか余裕。人にどうやったら効果的に痛みを与えられるかとか熟知。
人が拷問されてる映像(映画やドラマとかじゃなくて知り合いが拷問されてる)見て爆笑。
超美人。気分屋。飽きっぽい。自分で映画みようと言い出して、途中でもう辞めない?とか言っちゃう。

 

*1:いや、私全然ラノベ読まないんでイメージでいってるからわかんないけど、ラノベの主人公が会社員だったら、みたいな?

*2:そういう意味ではモーニング連載らしさが出たなぁと思う。

*3:私がそうなのかは知らない。