ペニンシュラ型

~私とあなたの不可避な壁~

今週のジャンプについてちょっとだけ

 
本来なら、毎週こうやってジャンプ感想を更新すればこの日記見て下さる人(もしいるなら)とかPV数的にも良かったりするんでしょうが、到底私などではできそうにないです。
というわけで、思うことあればその週だけちょびっと書くかも……
 
ところで、今回何を書くかというと、ぬらりひょんの孫について。
 
 
昨日のエントリに書いちゃったけど、ふと妖怪という言葉が思いつくほど、私の脳内は妖怪で冒されているわけです。
で、久々のジャンプでの妖怪マンガということで、一応このぬらりひょんの孫もチェックしてたのよね。
簡単にいうと妖怪のクオーターである主人公が、祖父のぬらりひょんが組長を務める妖怪極道一家奴良組を継げるか否か、ってのが基本線になって主人公の組長就任に反対する妖怪と戦ったり、主人公が通う人間の学校で起こる怪奇事件をさぐったりとかそんな感じのお話。

妖怪好きとしてはたま〜に突っ込みたいコトがあったりもするのですが、なんか作者さんは結構昔から妖怪ネタ扱ってたみたいで、基本的にしっかり調べて特徴をつかんだ感じで妖怪さん達を登場させてるんで、妖怪好きとしては結構おもしろいマンガです。
 
それでは、今週の掲載分のお話。
 
今回は今まであんまり具体的にどう凄いのかよく分からなかった主人公の祖父のぬらりひょんが初めてその力の一部を見せたわけですな。
 
で、そのおじいちゃんの技が「真・明鏡止水」っていうなんか頭以外火の玉になって飛んでったりするヒゲのおっちゃんが頭に浮かんでくるような感じだったのですがね、これが個人的には素晴らしかった。
コミックス所有してないんでよく覚えてないんだけど、こんな形でこの技が使用されたことは今までないハズ。
 
ぬらりひょんの相手となったムチだけど、戦闘中、その「真・明鏡止水」のためにぬらりひょんの存在自体を感知できなくなります。
バキの渋川剛気(ジャック戦直前)に近い感じになったといえば分かりやすいのだろうか?自分に害を為すものに対する自己防衛とか恐怖で認知することすらできなくなったみたい。
 
そもそも、ぬらりひょんという妖怪は、今でこそ妖怪の総大将的なイメージがついとりますが、本来は人の家に気づかれない内に侵入して飯食って帰ってくだけ、っていうショッボイ妖怪なんですよ。気付かれたとしても、様子がふてぶてしすぎて他人から見たら、ぬらりひょんがその家の主人のように見えるとか何とか。
ちなみにぬらりひょんというネーミングの理由は、家に侵入する時、“ぬぅらり”入って来て“ひょんっ”っと出ていくからとか、形が“ぬうらりひょん”としたとらえどころのない形をしてるからだとか諸説あるそうです。
 
なんでこんな妖怪に“総大将”っていう大袈裟なイメージがついたかというと、そのふてぶてしさからこいつは大物だと勘違いしたのか、物知りそうなおじいさんの姿で描かれることが多いせいなどといわれますが、最初は藤沢衛彦って人が書いた著書で、(おそらく)創作でそう設定したのがそのまま広まっちゃったからだそうです。
もっというと、漫画で妖怪を描く時、妖怪の大将って設定は使いやすいと思った水木しげる大先生が(ウソ設定を承知で)作品にぬらりひょんを登場させたからです。
 
さて、やっとぬらりひょんの孫のお話に戻りますが、私が何が凄いと思ったかというと、「真・明鏡止水」がこのぬらりひょんのウソ設定ではない、本来の性質〜相手に気付かれることなく相手の家、つまりは守護領域、テリトリーに入り込む〜を上手く利用し、本来はしょっぼいだけのぬらりひょんを少年誌的表現でかっこよく描いていたからです。
 
私が知らないだけかもしれませんが、ぬらりひょんを本来のぬらりひょんらしく、カッコよく描いた作品はそうそうありません。
妖怪小説で有名な京極夏彦でさえも、ぬらりひょんを(妖怪的に)魅力に描くことはできず、ぬらりひょんかと思われたものの正体を両津勘吉にしてお茶をにごしています。まあ、あれは一種のパロディなんで関係ないっちゃないんですがね。
 
こんな感じで妖怪のマンガの中での動かし方が素晴らしく、また今まで表にあんまりでてきてなかったおじいちゃんが出てきたことで展開をどう転がしていくかわからなくなったこのマンガしばらく良い展開が続きそうです。
 
というわけで、妖怪好きが長々申しました。このエントリで興味をもってぬらりひょんの孫を読んでいただけると嬉しいです。
 
 
 
もうひとつ、今週のジャンプ読んでて気になったのが、数話後のバクマンと今週のスケットダンスのネタが被らないかなということ。
今週のバクマンではネームがどうのとかいう話に触れてましたが、その裏でサイコーがGペンとかつけペンで絵を描くことの難しさを感じてるシーンがあります。たぶん、バクマンというマンガの性質上、近いうちに原稿とか絵をどう描くかということに言及すると思われます。
 
となると、今回のスケットダンスGペンで線を引くコツとかはネタが被りそうな気がするんですよね。そんなこといったら村田先生のあの漫画も、みたいなことになっちゃうけど……
 
まぁ作品のジャンルというかベクトルが違うから、仮にネタが被ったとしても、扱い方とかからしてだいぶ違うでしょうからだいじょぶだと思うけどね。